【プレスリリース】短時間でがん組織切片の染色体テロメア長を測定できる方法を開発

国立遺伝学研究所の総研大大学院生 佐々木飛鳥、井手聖助教、前島一博教授、平田たつみ教授、京都大学の杉山弘教授らのグループ、(株)ハイペップ研究所 軒原清史代表らのグループ、国立国際医療センターの志村まり室長らのグループは、細胞老化・がん化に重要な役割を担う染色体テロメア配列を組織切片の細胞において簡便かつ迅速に標識する方法を開発しました。

染色体の末端はテロメアと呼ばれる繰り返し配列により保護されています。ある種のがん細胞では、テロメアの長さが短くなっていることから、テロメア長はがん診断の指標になると考えられています。

これまでテロメアの検出にはFISH法が利用されてきましたが、実験に1日以上を要する上に、細胞内の構造を壊すおそれのある熱・有機溶媒処理も必要とすることが課題でした。

研究グループらは、これらの問題点を克服する新化合物「ピロール・イミダゾール(PI)ポリアミド化合物」を開発してきました。
本研究では、マウスやヒト凍結組織切片にこの標識法を応用することに成功しました。さらにPIポリアミドは抗体染色と併用できるため、がん組織切片においてがん細胞に焦点を当ててテロメア長を測定することに成功しました。

詳細はこちら(国立遺伝研究所)
https://www.nig.ac.jp/nig/ja/2016/07/research-highlights_ja/20160707.html

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