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ハイペップ研究所技術紹介

PepTenChip®による診断と中分子創薬(遺伝子制御PIPAとバイオコンジュゲート)

ハイペップ研究所は「生体機能と分子認識の産業応用」を目指し、独創的シーズを有する、ものづくりを行う会社として2002年に創業した。分子認識の応用の基盤は、生体分子をペプチド誘導体でミメティックする技術である。生体中の分子同士の認識機構は重要であり、これを検査診断や創薬に応用しようとしている。最近これらの基盤技術が完成し、実用化へ向けた開発を実施中である。許認可に向けて資金が必要のため、協業、技術導出【ライセンスアウトも検討中である。技術に加え、販売のための製品【自社研究のために開発した】紹介も行いたい。

 

技術製品Webコンテンツ一覧(著作権が出版社の論文はリクエスト)

  1. 会社案内
  2. 製品案内
  3. 次世代バイオチップPepTenChip®(生体計測、検査・診断)
  4. 新製品 バイオチップ検出器 PepTenCam
  5. テロメア染色プローブ
  6. 新製品 多種同時化学誘導体化装置AHST-16
  7. Contract research & Service
  8. ピロール・イミダゾール・ポリアミド(PIPA)受託合成
  9. アミノ酸組成分析、キラル分析、水分・残存有機酸・残存有機溶媒の定量分析(GLP/GMP)
  10. テクニカルノート Technical note 技術解説
  11. PIPAによる遺伝子ノックダウン
  12. 環状ペプチドビーズ・ペプチドビークル
  13. DNA特異的認識による創薬、バイオ検出 (遺伝子治療)
  14. 簡易迅速アミノ酸分析
  15. バイオチップ PepTenChip®・研究用アレイ蛍光検出装置・各種表面修飾基板
  16. 受託合成 ペプチド・PIPA・PNA・ペプチドコンジュゲート等の化学合成
  17. 受託分析 アミノ酸組成分析・キラル受託分析・MALDI-TOF-MS質量分析
  18. 装置:小型多種品目合成装置PetiSyzer・多種同時化学誘導体化装置AHST-16
  19. 試薬:アミノ酸誘導体・固相合成担体・異常アミノ酸ミモシン・各種ライブラリー
  20. 創薬探索:環状ペプチド固定化ビーズライブラリー
  21. 再生医療、血管新生ペプチド、AGPとその複合体
  22. 遺伝子治療 遺伝子発現制御研究用PIPA、テロメア可視化PIPAプローブ
  23. このほかコンビナトリアル有機合成研究、創薬研究関連支援ツール機材消耗品取り扱っています。

コア技術

一般に化学合成の難しい構造を取るペプチド誘導体の製造と定、応用の技術である。応用では検査診断と創薬に焦点を当てている。化学合成ペプチド誘導体をアレイ化して検体を認識する、タンパク質検出のプロファイリング技術(次世代型バイオチップ)で、当該新規コンセプトによる診断・検査技術である。一方、創薬研究の一つであるPIPAの治験を実施するために、2016年8月製造に特化したピプルス・ファーマ社【ハイペップ研究所からスピンオフ】を設立した。現在GMP製造施設を建設中である。その他、再生医療分野で 血管新生能を有するペプチ【日本米国欧州主要国特許取得】

 

(1) 新規な次世代生体計測技術、PepTenChip®システムの診断への応用

分子の相互作用を蛍光強度変化で検出する方法を世界に先駆け実証した。ペプチド誘導体を捕捉分子としてタンパク質との相互作用を行うために基板上にアレイ化したバイオチップ、ナノテク基盤技術が完成した。現在、疾病の関する体液による診断への応用を開始、有効性を実証中である。革新性は以下である。①従来法のような1:1対応認識【マーカー】とは異なる方法 ②認識を可視化、画像パターン解析にする(多変量解析)技術でバイオ認識/生体計測に統計学的手法を導入 ③従来法では困難な診断 (未病検査も含む)。マーカー検出ではなく、未知標的群を含めた多変量解析で正常・疾患等の判別を行う。(技術の証明資料[1])

 

最近完成したバイオチップシステムの4要素技術とは以下である

①捕捉分子:アレイ用標識ペプチド群(糖ペプチドを含む多種構造ペプチド)を製造、ライブラリー数千種を確保(乾燥しても問題ない:保存輸送に有利)②基板と表面化学:捕捉分子搭載のための優れた素材(アモルファスカーボン)を新規に開発、固定化の表面加工法も確立 ③製造用アレイヤーをクリーンルームに完備し、チップ基板上に極微量ペプチド群(数百picoL/spot)を定量的アレイ化する技術を確立 ④オンサイトで使用可能な検出器を開発した。現在市販されている蛍光検出器は研究用で、高額、大型、メンテナンスも煩雑である。感染の危険があるサンプルを扱う場合、バイオセーフティレベル(BSL)3以上の閉鎖空間で使用しなければならない。感染機構あるいは感染源が未知の危険物質も存在する。小型、操作簡便、メンテナンスフリーの蛍光検出装置を設計製作しPepTenCamと命名した(製造販売のライセンスアウトも検討)。

 

当該技術の利点は ① 医師の技量に大きく依存しない客観的指標の提供 ② 待ち時間・苦痛を避けて診断を避けることを防ぐことができる。 ③ 従来の診断とは競合しない。 当該技術はリアルタイム・オンサイト・ポイントオブケアである。

特長

  1. 世界でも類を見ない独自のバイオ検出の基盤技術:標的分子そのものの検出ではなく、1:1 対応も含まれる多様な分子標的群の相互作用で生じる蛍光変化を捉える新規な方法日欧米特許取得:Protein Fingerprint法
  2. 従来のバイオチップのように1:1対応(抗原抗体反応やマーカー探索)に限定されない、サロゲートマーカーや新規のマーカー探索にも有用(既知、未知の原因物質の解明)
  3. 従来法では簡単に検査できない疾病、医師の個人的技量に左右されない客観的判定基準の創生(例:歯周病や多発性硬化症などの神経難疾患)
  4. 当該手法はマススクリーニング、健康診断にも威力を発揮できる
  5. 高齢者や動物など健康上の問題点を医師に口頭で具体的に伝えることが困難な例にも威力を発揮する(在宅医療等)
  6. 当該生体計測のコンセプトは極めてユニーク、国際的にも類似品は無い
  7. 関連論文や技術資料ホームページからダウンロード可能
  8. 早期の実用化へ向け、要素技術のライセンスアウトも視野に入れている

 

現在の開発状況

認可へ向けた臨床データを構築中。ヒト疾患体液を収集、解析・データマイニングを開始した。すなわち、正常、各種疾患の体液を検体とし、疾病を反映するイメージングによる診断を行うための研究開発実施中。正常、各種疾患(がん等)の体液(血液)、唾液を検体とし、疾病を反映するイメージングによる診断を行うためのデータ取得を開始した。臨床現場の医師も判定に困る、難疾患の検査【例多発性硬化症】、類似疾患の区別、各種がんの早期発見、口腔衛生健康診断へ応用するためデータ取得中

 

[1] 原理の有用性の証明:PepTenChip®の技術の妥当性

構造ペプチドを捕捉分子素子として病態や類似疾患の区別、検出が可能か?➡ 従来様式の1:1認識でなくても可能である。

実例① 2007-2011 プリオン病・農水NARO異分野融合研究プロジェクト = L-type atypical BSE と classical BSE, scrapieとがハイペップのデザインペプチドで区別できた [Kasai, K., Hirata, A., Ohyama, T., Nokihara, K., Yokoyama, T. and Mohri, S. (2012) FEBS Lett., 586, 325-329]

実例② モノクローナル抗体が、抗原ではないデザインペプチドを認識することを検証した。[Tominaga, Y., Hirata, A.,

and Nokihara, K. (2015) Bioorg. Med. Chem. Lett. 25, 611-615]

チップの蛍光検出で得られたパターンは蛍光強度変化(構造の変化を反映)を色の違いで表示することによって、バーコード様のイメージとなる部分は一般的に難解で、特許申請では審査官との多くのやりとりがあったが、最終的には特許認定に至った。

★ 2007年 米国バンダービルト大学のカプリオリ教授グループが質量分析装置を用いた組織病理的解析の新規な手法を発表(M. L. Reyzer and R. M. Caprioli, Current Opinion in Chemical Biology 2007, 11:29-35.)。組織切片中には無数のペプチド・タンパク質が存在するが、彼らは、軒原らのペプチドアレイにおける混合物系の解析と全く同様の統計学的手法を用いて解析を可能とした。

★ 2012年 京都府立医大池川と京大近藤らは、特定の物質同定せずにパターン解析から統計的手法を用いて検定ができることを世界に先駆けて発表した。Movement Disorders. 27, 851-857, 2012; Annals of Neurology. online: 12 SEP 2011

 

(2) 分子認識を応用する創薬技術(中分子創薬)

PIPA(ピロールとイミダゾールを主ビルディングユニとするペプチド)は二重鎖DNAを塩基配列特異的に認識する中分子であり、生体内で安定かつ細胞膜を容易に透過し核に移行する化合物である。PIPAは合成・精製が困難な物質であり、これまで世界でも工業製法は確立されていなかった。ペプチド科学、合成・精製・解析・製造に加えて医学・薬学分野への応用に詳しいハイペップ研究所創業者は、2016年PIPAの工業生産技術を確立した。治療薬として実用化するためにはPIPAの臨床試験が不可欠であり、GMP準拠の製造設備が不可欠のため、2016年、スピンオフで別会社ピプルス・ファーマ社を創業した。当該新会社はハイペップ研究所の研究開発成果の一部を実用化し、製造を行う会社である。一方、PIPAの検査への応用として、ヒトのテロメアを特異的に可視化するプローブPIPAも開発し商品化した。当該PIPAはテロメアの長さの測定を可能とする。このようにPIPAは遺伝子制御・検査薬として期待されている

DNAは二本鎖の塩基がいわゆるヘリカル構造を作る生体分子であるが、PIPAはDNAマイナーグローブという溝に配列特異的に結合することが25年以上前に見いだされた。基盤となる作用機序に関する特許権は消滅している。従来の核酸医薬品は生体内で分解され易いこと、遺伝子発現をノックダウンする場合には副作用があること、細胞膜・核膜を特殊なデリバリー技術角膜を特殊なデリバリー技術(DSS)なしには透過できない等の問題を有する。PIPAは生体内で安定性が高く、疾病で上昇した遺伝子転写活性のみを抑制するため副作用の懸念が少なく、DDSなしに細胞の核に取り込ませることができる。しかし、合成法が難しく、アカデミックな合成報告を除いて、製造に関する報告・実績はこれまで国際的にも全く無かった。ハイペップ研究所はタンパク質認識研究を続けてきたが、DNA認識へも研究テーマを拡大、ペプチド核酸の研究を行ってきた。10年ほど前にPIPA製造プロジェクトを立案、世界に先駆け、工業的製造法(原料も含めた合成法精製法、品質管理法)を最近確立した。製造ノウハウの詳細は論文や特許等で一切開示していないため、当面、独占製造が可能である。また標的遺伝子は疾病の原因となるいかなる遺伝子に関してもデザインおよび合成が可能であることから、臨床基礎研究によってこれまでになかった難病への治療薬の創製が可能である。ハイペップ研究所では確立した製造法を用いて、これまでに論文等で発表されている化合物を各種合成し、研究用試薬として販売している。PIPAの合成は難しく、ペプチド化学の極めて高いノウハウが不可欠である。治療だけではなく、特定DNA の可視化を可能とするPIPAとして、染色体テロメア可視化プローブを開発、蛍光標識PIPA【HPTH59】を商品化した。(簡便な手法によってテロメアの長さの定量化が可能である2014. 2016年論文発表)現在グローバル展開を進めている。

 

染色体テロメア可視化プローブによるテロメア認識模式図

 

PIPAは二重鎖DNAを塩基配列特異的に認識する中分子であり、生体内で安定かつ細胞膜を容易に透過し核に移行する優れた化合物である。PIPAは低分子医薬や抗体医薬ではできない疾病を標的にしている。品質管理の難しい、高額な製造価格、しかもジェネリックで競争が激しい抗体医薬に代わる次世代治療薬として新規な遺伝子発現制御薬の開発が期待されている。遺伝子転写活性抑制を目的として、核酸医薬(siRNAやペプチド核酸)が世界各国で研究されているが、いずれも安全性や毒性、細胞内・核内への移行などデリバリーが問題となっており、十分実用化されたとはいいがたい。また特許の権利が複雑に絡むこれらの核酸医薬とは異なり、PIPAは構造と適応症以外に製造における有効な特許は実質上無い。PIPA は高い塩基配列選択性を有している点、低濃度で効果を発揮できる点、細胞膜を容易に透過し、核に移行するためデリバリーや投与における効率が格段に良いため、副作用が低く市場競争力において優位である。PIPLS社は実用化に必要な「製造」に特化した事業を展開しようとしている。ハイペップ研究所は製薬メーカではないため、協業相手としては製販を有するグローバルな製薬企業が好ましいと考えている。現在建設中のGMP工場では、ペプチド医薬のジェネリックも扱えるが、本命は、次世代の難治疾患の治療薬である。原料製造ノウハウも含めすべての技術を導出することも検討している。

 

 

(3) ペプチドビークル Bioconjugate新規な細胞標的薬剤のコンセプト 

ペプチドビークルはがん細胞の認識、膜透過、核移行を行うペプチドにペプチド核酸や抗がん剤を結合させた高効率デリバリーのためのバイオコンジュゲートである。特定タンパク質の特異認識ペプチドを探索するためのライブラリー約2億種類(環状ペプチド固定化ビーズは、ゲル1粒上に1種類だけの環状ペプチドが搭載されている高純度ペプチドライブラリ)も完成した。探索したペプチド素子を用いてビークル構成モジュールの組み合わせが優れたDDSシステムとなりうることを実証した。PIPA自身も機能性分子を搭載し、標的DNAにペイロードを届けることが可能である。

環状ペプチド固定化ビーズ【1粒のゲル様ポリマーに高純度環状ペプチド1種のみが固定化】を用いる相互作用化合物探索技術の応用

 

(4) 再生医療のための血管新生因子

血管新生因子【米欧日特許取得】: 再生医療を目的として各種増殖因子が用いられているが、細胞ががん化することが知られており、実用上の問題となっている。特許のAGPは低分子ペプチドであり、副作用が全くなく安全であるが効き目の持続を狙って最近半減期の長い誘導体を創生した

 

(5) 植物由来異常アミノ酸ミモシンとその誘導体(薬物、化粧品、衛生用品への応用)