接着作用に加えて血管新生能を有するペプチドを発見、Angiogenic peptide (AGP)と命名した。最近、構造改変を行い半減期の長い化合物を創生した*。
- 心筋梗塞、脳梗塞など血管の閉塞に起因する虚血性疾患に対し新たに血管を形成することによる血管新生療法が期待されている。
- 血管新生は人工骨等の生体代用材料を用いた臓器の再生・修復の際等、生体材料の生着にも重要な役割を果たしている。
- 血管新生作用を有する比較的分子量の小さいペプチドは、毒性も無く、代謝されやすく、単独投与あるいは生体材料に結合することが可能
- 再生医療における生着:迅速な接着と血管新生とは移植後のQOLを左右
- DDS機能を持たせたバイオミメティックな生体親和性、生分解性物質はヒトでの代用組織にもなり早期治癒QOLの向上が期待できる。
- iPSを用いる細胞移植では拒絶反応は回避できるが生着に難点、血管新生が不可欠である。このためにNGFや bFGFを用いると生着はするが浸潤が起き実用上問題である。AGPの使用で血管新生が起きたが代謝されやすく実用上の難点であった。このため、持続性に焦点を当て構造を改変し好成績を得た*。
構造活性相関
Ala-Scan・ライブラリー構築から
① 4位Tyr 残基は機能発現に重要(Pheの方が若干強い
② N末および C末端部分は機能発現に重要ではないため末端を固定化に利用できる
*新規持続型AGP:Bioorganic & Medicinal Chemistry
P/N | 改良構造 |
AGP010 | Cyclic(O2Oc-SVVFGLRQ)-NH2 |
AGP030 | Cyclic(LCys-O2Oc-SVVFGLR-G-LCys)-NH2 |
AGP040 | O2Oc-SVVFGLR-NH2 |
AGP002 | Original: Ser-Val-Val-Phe-Gly-Leu-Arg |
管腔形成の形態学的証明
Refences Peptide Science 2000, 373-376, 2001; BBRC, 310(1), 153-157, 2003;
*Bioorganic & Medicinal Chemistry, 28, on line 2020 Aug 3, DOI:10.1016/j.bmc.2020.115685
アライアンスとコラボレーション提案
接着作用に加えて血管新生能を有するヘプタペプチド
AGP angiogenic peptide
AGPと関連化合物 =再生医療、生体材料への応用
血管新生機構の解明→ がん増殖・転移の解明→ 抑制、拮抗剤
ペプチドの利点
安全性・代謝性に優れ、デザイが容易、合成・検定法が確立。
アミノ酸誘導体はライブラリー構築に便利なビルディングユニット、固相合成法によって短時間で構造の最適化が可能。
DDS機能を持たせたバイオミメティックな生体親和性、生分解性物質はヒトでの代用組織にもなり早期治癒QOLの向上が期待できる。
- 心筋梗塞、脳梗塞など血管の閉塞に起因する虚血性疾患に対し新たに血管を形成することによる血管新生療法が期待されている。
- 血管新生は人工骨等の生体代用材料を用いた臓器の再生・修復の際等、生体材料の生着にも重要な役割を果たしている。
- 血管新生作用を有する比較的分子量の小さいペプチドは、毒性も無く、代謝されやすく、単独投与あるいは生体材料に結合することが可能。
- 再生医療における生着:迅速な接着と血管新生とは移植後のQOLを左右する。
- DDS機能を持たせたバイオミメティックな生体親和性、生分解性物質はヒトでの代用組織にもなり早期治癒QOLの向上が期待できる。
血管新生ペプチドとそのコンジュゲート(バイオマテリアル)、関連ライブラリー構造活性相関
特許実施権、化合物、誘導体:米国・日本特許取得済、欧州審査中
BBRC, 310, 153-157, 2003
US.Patent 7,091,175B2