J-KEM社製 Cadence®ウイルス不活化システム

溶出液などに対する全自動ウイルス不活化システム

  • 擬似移動相方式分離技術(SMB)を用いた連続処理で得られる、目的物含有溶出液のウイルス不活化
  • pH, 液量のモニターと自動制御によりオペレーター不在でも連続処理が可能

概要

本機はウィルスを低pH処理によって不活化する装置です。夜間も連続運転可能で、効率的に実験を進めることが出来ます。全世界で14台(国内では2台)導入されており、今後も注目される装置です。

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背景

近年、製造現場では品質確保の下、できる限りの省力化が進められてきた。連続運転では特に混入するウィルスの不活化が重要な課題となった。バイオ医薬品製造では国際的な取り決めがあり、医薬品規制調和国際会議(略称 ICH*)のガイドラインが出された。ICHは、医薬品規制当局と製薬業界が協働して、医薬品規制に関するガイドラインを科学的・技術的な観点から作成する国際会議である。*International Council for Harmonization of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use

ICHQ13ガイドラインに適合した、本小型実験機は、本スケール製造時の条件検討などに有用である。ウィルス不活化では、pHの調製や処理時間を微細に確立する必要がある。例えば、Protein Aカラムから溶出された産生抗体は、これまでバッチ式でpHを調整し、次の精製工程に繋げてきた。人件費の高騰から省力化がすすめられ、夜間休日などの運転はできるだけ無人化で行いたいという要望に応えた。

装置を使うことによるメリット

ウイルスは、加熱処理やアルコール、界面活性剤などによる処理、そして低pH処理(pH4以下)により不活化する。本装置ではpH調整によるウイルス不活化処理を連続的に自動で行い、生産のための条件検討が行える。一般的に低pHによるウイルス不活化処理では、pHの測定と微調整が必要である。本装置を利用したウイルス不活化処理では、pHをモニターしながら自動調整され記録される。ウイルス不活化処理を終えたサンプルに対しては自動で中和を行い、設定したpHに戻し、次の工程へのスムーズな移行をサポートする。

JKEM Viral Inactivation(VI) System リアクターサイズ 1 Liter 一式
内容P/NPall-VI-120-PC  ※専用PCとオペレーションソフトウエア付属 ※梱包・輸送、輸入手続、据付、ソフトウエアインストール、システム最適化、 トレーニング、合計3日間作業の費用