新規な医薬分子の創出に適したビーズ固定ペプチドライブラリーを開発しました。その背景は後述します。
画期的な新薬の創出が困難になりつつある状況で、ペプチドなどの中分子は低分子と抗体に次ぐ医薬のジャンルとして注目されています。しかし従来の取り組み方が適さない標的分子の制御は原理的にも難しく、中分子群から医薬リードを探索する試みも多くが失敗に終わっています。弊社は今まで探索に用いられてきた中分子群の性質やスクリーニング方法等における課題を踏まえて、中分子医薬を創出するための新しい方法を開発しました。新規OPOB では、デコンボルーションの効率が大幅に向上しました。
WEBによる面談、あるいは訪問面談もお受けいたしますのでご遠慮無くお問い合わせ下さい。
製品の特色
①アフィニティ選択に適した親水性ビーズにペプチド誘導体を固定したライブラリーです
②弊社ですでに確立したOPOBの合成法に基づいた高品質の化合物ライブラリーです
③クスリらしさとケミカルスペースの拡充を重視したライブラリー構成です
④ヒットしたリガンドの迅速な解析のための仕掛けを内在してあります
⑤ダイバーシティや構成ビルディングブロック【天然・非天然アミノ酸】の選別に独自の知見を取り入れました(秘密保持契約下で開示)
⑥リガンドだけでなく標的分子も同時に検出できるためケモプロテオミクス的なアプローチに向いています
⑦委託研究や共同研究も可能ですので、ライブラリーのご提供だけでなく選択されたビーズの解析も承ります
⑧さらに目的に応じてカスタマイズされたライブラリー、一次ヒットに基づく二次ライブラリーの構築も行います
⑨本製品の兄弟にあたる環状ペプチドビーズ、多様性約2億種類も同様にご利用いただけます。
⑩複数の標的分子や疾患を対象とした包括的な共同研究も承ります
委託研究または共同研究等お気軽にお問い合わせください。
技術背景
弊社は創薬探索ツールとして高純度のOPOBライブラリ(ゲル様ビーズ1粒上に1種類だけの高純度ペプチド捕捉分子が固定化されたもの)を有し、そのダイバーシティは約2億種類に上り(天然・非天然を併せて24種類のアミノ酸誘導体を用いたヘキサペプチドライブラリー)、販売実績もあります。
スクリーニングされたビーズの構造解析には、エドマン分解法がありますが、アッセイ中にN末端ブロック化が起き、エドマン分解を受けなくなる事象を経験したため、解析のルーチン化に取り組み、部分加水分解と高分解能MS/MSとの組み合わせで解析を可能としました。
選択された有用なリガンドは単独で標的たんぱく質制御分子として活用できるだけでなく、リンカーを介した状態で選別されているため、他の機能性分子とのコンジュゲーションにも適しており、幅広い応用が期待できます。
ディスプレー法と比較しますとそれらのペプチドは人工的な改変を受けていてもリボソーム上での翻訳に依存しており、化学的に合成されるライブラリーと比べると空間当たりの多様性の創出では大きな制約を受けます。一方で1種類当たりの分子数が多いOPOBは「活性物質ありき」の創薬にも対応可能であり、リガンドと標的分子とをセットで得る試みにも応用できます。
弊社は質の高いビーズ固定化ライブラリーを製造する技術だけでなく、質量分析によりリガンドの配列と相互作用した標的分子の両方を解析する方法を有しており、創薬研究に有用な情報を効率的に取得する態勢を有しております。
この2億種類のOPOBに加え、新規にドラッグ候補の選択的獲得に特化したライブラリーを考案しました。従来のディスプレイ法の欠点克服と解析の迅速化のために生まれた技術でもあります。
文献:成書2018 技術情報協会 「ペプチド医薬品開発のためのスクリーニング・安定化・製剤化技術」,第1章10節 ペプチドビーズライブラリーを用いた標的探索:軒原清史他著;原報 Nokihara, K., et., al., Amino Acids, 48, 2491-2499 ( 2016)
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